Illustration by たけふじ狐
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「ここが、アンサーク……」
 今までの旅で、色んな町を訪れてきた。どこも賑やかで、見たことのない景色であふれていた。
 アンサークはとっても静かな集落だ。フロッカの集落も静かだったけど、ここはなんだかいやな視線を感じる。
 外を歩いてるヒトたちが、ぽつぽつといる。みんなウサギで、ポメたちのことをじっと睨んでいるようだった。
 それに、家からもこっちを見ているみたい。
 ここの家は、まるで布でくるんだような見た目をしている。布の切れ目から、ここの住民が顔を覗かせていた。
「なんか、あんまり歓迎されてないみたいだな」
 ジェコがきょろきょろと見ながら言った。
「仕方ないわよ。ここはあんまりよそ者を受け入れなかった歴史があるからね」
 ここに来るまでに、トリキリデとリフテイルの街道からはそんなに離れていない。そのはずなのに、旅人のようなヒトは見当たらなかったし、お店らしき建物もなかった。
「ま、悪いヒトたちじゃないわよ。前にヒナコリで来た時は、みんな聴きに来てたし」
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