
Illustration by たけふじ狐
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トリキリデから、少し離れた街道。見上げれば、広がる青空。風の匂いが鼻先をくすぐる。
町を出発するには、ばっちりの天気だ。
「お別れだね、あの樹とも……」
マイマイに揺られながら、ポメは振り返る。町ではあまりに大きすぎて見えなかった大樹も、今ではその全貌が見えるほどになっていった。
ポメたちの旅が、また始まった。いつものようにデデやジェコ、ロココと一緒に。
でも今回は、少し違っていた。
「マニも一緒に来てくれて、にぎやかになるね」
ゆらりゆらり。ポメと並ぶように、マニも一緒にやってきたのだった。ポメたちがトリキリデを出ると言い出して、マニも一緒に行くことを決めたのだ。
「ふふ、貴方たちと一緒に行けば、探しものが見つかりやすいと思ったからね」
マニは、あるものを探しに旅を続けている。探しているものが何かは、ポメたちは知らないけれど、人を探しているポメと少し似たものがあった。
「でも本当によかったね、マリエットさんも認めてくれて」
あの事件が終わって、マリエットとロココは話をしたそうだ。
どんな話をしたのか、ポメたちは知らない。でもなにか話をして、ポメたちの旅を許してくれたのだった。