
Illustration by 竹藤狐
———
「どうしよう……」
おばけは、じっとこっちを見つめている。細い目からは、妖しい紫色の光が漏れていた。
きっと今までのおばけと同じだとしたら、迂闊に近づくわけにはいかない。
でも困ったことがある。それを分かっているのは、自分だけだということだ。
「どうやって、デデたちに近づかないように言えば……」
後ろを見る。みんなも、ポメと同じように立ちつくしていた。
「あれ、どうなってるのかしら……」
「おいおいなんか、ヤバくねぇか?」
三人の表情が、曇っている。まるでポメのように、おばけが見えているような。
「みんな、どうしたの?」
「どうしたのってアンタ……あの木が見えないの?」
おばけにじっと目を凝らす。おばけに隠れてよく分からなかったけど、後ろの木……みんなが寄り添っていた木が、動いていた。
フォルがうなずいた。
「おそらク、あの木に憑りついてるんだナ」
「おばけって、木にも憑りつけるの?」
「木だって生きてるんだからイケるんじゃねえカ?」
ズズッ。地面が妙に盛り上がる。前から、後ろへ。ポメは振り返った。
「危ない!」
地面から、木の根っこが飛び出す。デデとマニの足を掴んだ。
「な、なんだよこれ!」
おばけは、じっとこっちを見つめている。細い目からは、妖しい紫色の光が漏れていた。
きっと今までのおばけと同じだとしたら、迂闊に近づくわけにはいかない。
でも困ったことがある。それを分かっているのは、自分だけだということだ。
「どうやって、デデたちに近づかないように言えば……」
後ろを見る。みんなも、ポメと同じように立ちつくしていた。
「あれ、どうなってるのかしら……」
「おいおいなんか、ヤバくねぇか?」
三人の表情が、曇っている。まるでポメのように、おばけが見えているような。
「みんな、どうしたの?」
「どうしたのってアンタ……あの木が見えないの?」
おばけにじっと目を凝らす。おばけに隠れてよく分からなかったけど、後ろの木……みんなが寄り添っていた木が、動いていた。
フォルがうなずいた。
「おそらク、あの木に憑りついてるんだナ」
「おばけって、木にも憑りつけるの?」
「木だって生きてるんだからイケるんじゃねえカ?」
ズズッ。地面が妙に盛り上がる。前から、後ろへ。ポメは振り返った。
「危ない!」
地面から、木の根っこが飛び出す。デデとマニの足を掴んだ。
「な、なんだよこれ!」