Illustration by 竹藤狐
 その日の夜は、こっぴどく叱られた。なにせマリエットの言いつけを破って、勝手に孤児院を出たのだから。
 しかし、怒られたのはカラットではなく、ポメだけである。
「~~だいたいよぉ、お前……俺が一人でほかの子どもたちの相手すんの、分かってたよな?」
 孤児院の、二階の窓辺。ひぅひぅと風の突き抜けるそばで、ポメはしゅんとちぢこまっていた。叱っている本人は、デデだった。
「カラットってやつ、脱走の常習犯なんだろ? だったらほっといたって、どうせ戻ってくるって、分かるだろ」
「そうかもしれないけど……」
 ポメはぐっと、顔を上げた。ぎっと、デデの鋭い目が刺さった。
「そ、それでも……ほっとけない……んじゃ……ない、かな」
 その顔を見れば、よほどの疲れのたまっているのが分かった。その顔を見てしまうと、ポメはどうしても強くは言えなかった。
「ふんっ」
 デデは腕を組んで、じっと外に目をやった。
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