
Illustration by 竹藤狐
大樹を降りた頃には、ずんずんと日が沈んで、夕ご飯時が迫っていた。
「この時間からが、楽しいんだよなぁ!」
早く帰らないと。ポメはそう思っているのに、カラットの走っていく先は、孤児院とはまるで違う方向だった。
「ちょっと、早く帰らないとご飯に間に合わないよ」
「いいのいいの、ちょっとくらい遅れたって、おばさんは待ってくれるんだもん」
「もう……」
放っておくわけにも、いかない。ポメもカラットのあとをついていった。
「早く帰らないとさぁ……おばけが出るかもしれないよ?」
ピタリ。ポメがそう言うと、カラットの足が止まった。
なんだろう。ポメが首をかしげると、手をがたがたとさせて、カラットはゆっくりと振り返った。
「お、おばけなんか……こ、怖くねぇよ!」
震えた大声が、響き渡る。カラットは踵を返して、土を蹴り上げるように走っていった。
「なるほどナ……あいつの弱点、やっと分かったナ」
「なんか、怖いもの知らずって感じだったけど……」
ポメはふぅと息をついて、ゆっくりと歩き出した。
「やっぱり子どもっぽいとこはあるね」
「お前も十分、オレ様から見たらガキだけどな」
「この時間からが、楽しいんだよなぁ!」
早く帰らないと。ポメはそう思っているのに、カラットの走っていく先は、孤児院とはまるで違う方向だった。
「ちょっと、早く帰らないとご飯に間に合わないよ」
「いいのいいの、ちょっとくらい遅れたって、おばさんは待ってくれるんだもん」
「もう……」
放っておくわけにも、いかない。ポメもカラットのあとをついていった。
「早く帰らないとさぁ……おばけが出るかもしれないよ?」
ピタリ。ポメがそう言うと、カラットの足が止まった。
なんだろう。ポメが首をかしげると、手をがたがたとさせて、カラットはゆっくりと振り返った。
「お、おばけなんか……こ、怖くねぇよ!」
震えた大声が、響き渡る。カラットは踵を返して、土を蹴り上げるように走っていった。
「なるほどナ……あいつの弱点、やっと分かったナ」
「なんか、怖いもの知らずって感じだったけど……」
ポメはふぅと息をついて、ゆっくりと歩き出した。
「やっぱり子どもっぽいとこはあるね」
「お前も十分、オレ様から見たらガキだけどな」