Illustration by 竹藤狐
 あれからポメとデデは、新聞地区を歩き回っていた。広場以外の有料な記事、ルーチ・タクトが行ってそうな町に関する新聞。可能性がありそうなものは、とにかく読んでいった。
「ったく、どれも本当の話かどうかもわかんねぇな……」
 ペラペラと、デデはメモをめくる。数こそ少ないものの、ルーチ・タクトに関する情報はいくつか見つかった。
 でも中には、ウソくさい話のもある。すべてが本当の話じゃないのは、確かだ。
「う~ん……思ったよりも、情報が少ないよね」
 ポメは小さく唸った。
 王直属の音楽団というだけあって、ルーチ・タクトの一団は豪華だ。演奏者たちだけでなく、多くの衛兵やスタイリストまでも一緒にいる。
 それだけに、とても目立つはずだった。それなのに、手がかりは少ない。
 メモを眺めながら歩いていると、きゅるる。何かを絞ったような音が小さく響いた。
「……今の、お前か?」
 音の正体は、ポメのお腹だった。歩きっぱなしでなんにも食べていないことを、二人は思い出した。
『デデならいつもみたいに、ニヤニヤしてからかうんだろうな……』そう思ってポメは顔を上げる。デデは、小さく息をつくだけだった。
「ま、俺も腹へってるしな……ちょっと休むか」
 くいっと、デデは親指で一つのお店をさした。そこは団子屋さんだった。食べ歩くヒトや、外のテーブルに座って一つ一つつまみながら、話をしたりしているヒトもいる。
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