Illustration by 竹藤狐
 そんなクゥも、今は誰の声も届かない。目の前に浮かぶ、星の光に魅せられていた。
「キミが……クゥくんを、こんな風にしてるの?」
 ポメはハリネズミのおばけに聞いた。クゥの背中に乗っかるハリネズミは、体を揺らす。ぎしぎしと、透明なトゲがきしむ。
「ふんっふん、オマエらの方から、オイラの光に吸い寄せられたんダろ?」
 仮面の隙間から覗かせる、ぼんやりと光る顔は、くるくると顔を変えている。楽しそうな、怒ってそうな。時には悲しそうな。
 このおばけがどんな感情なのか、どれが本当の表情なのか、ポメには分からなかった。
「一体、なにをするつもりなのさ!」
「心配しなくテモ、心をもらったラ、カラダは返してやるサ」
 心をもらったら。それの言葉を聞いて、ポメの背中にぞくっと冷たいものが走った。
「それってどういう意味……?」
 ふんふん、おばけは何も答えない。愉快に鼻歌をうたって、背中のトゲからふわふわと星の光を生み出している。
 見ていると、自分も吸い寄せられそうになるほど、ぼんやりときれいな光。ポメはふうっと、気が遠くなるのを感じて、慌ててぶんぶんと首を振った。
「もしかして……集落の病気って、キミが原因なの?」
Back to Top