Illustration by 竹藤狐
「ふあぁ……」
 笛の音が聴こえる。部屋中を照らすぼうっとやわらかな光で、デデは目を覚ました。
「なんだぁ、もう朝かぁ?」
「うぅ~ん……あとじっぷん寝かせなさいよぉ~」
 ジェコとロココも瞼を擦りながら起き出す。窓のないこの部屋だと、なんとも朝という実感が湧かなかった。
「こりゃあポメも、まだ眠ってるかもしれねぇな」デデはにやにやと笑いながら、体を起こして辺りを見回した。
 でも、いない。一緒に寝ていたはずのポメの姿が、見当たらなかった。それに、ツェンの弟であるクゥも。
「あいつら、どこ行ったんだよ……!」
 なんの関係性もなさそうな二人が、朝には消えている。この事実に、デデの頭も一瞬で霧が晴れたように冴え渡った。
「なぁツェン」ツェンは台所にいた。バシャバシャと顔を洗っている。デデの声がすると、ピンと大きな耳を張った。
「ん、どうしたの?」
「それが、ポメがいないんだ。それにお前の弟も……」
「あぁー」
 ツェンは部屋中を見渡した。部屋の隅っこで、毛布にくるまりながら大きなあくびをするジェコに、すうすう寝息を立て始めるロココ。ポメやクゥの姿はない。
 それでもツェンは、嬉しげに笑みを浮かべていた。
「もしかしたらクゥと一緒に、あそこにいったかも……」
「一体、どこにだよ」
「へへ、一緒にくれば分かるよ」
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