Illustration by 竹藤狐
 ふよふよ。クゥのそばを漂うおばけは、ひょろりと長くて白くすけた体に、金色の輪っかを首にくぐらせている。
 その姿はポメのそばを漂うフォルに、とてもよく似ていた。
 でもふっくらとした丸い輪郭。それに、たまごみたいな耳……それは鼻の細いフォルとは違って、まるでたぬきのようだった。
「あれって……フォルの仲間?」
「んなもんオレが知るカ!」
 ポメにしか聞こえない、フォルの大きな声。それが響き渡ると、おばけとクゥがこちらに目を向けた。
「えっ! ……ポメ、さん?」
「あ……ご、ごめん。驚かしちゃったかな?」
 ポメが一歩踏み出すと、クゥはおもむろに振り返った。ひゅう。まるで風が吹いたように、クゥは走り出す。
「ちょ、ちょっと待って!」
 ポメもすぐに追いかけた。でも地面に生える草が、ポメの足を絡めていく。
 しかしクゥはといえば、駆け馴れたかのようにスイスイと進んでいく。湖沿いから草木の方へ進み、陰から陰へ……。
 あの小さな姿は、またたく間に見えなくなった。
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