Illustration by 竹藤狐
「しっかし、不思議だなぁ……」
 デデは上を見て呟いた。
「峡谷の中なのにあんなに光ってるなんて、どうなってるんだ?」
 風が吹き抜けるたびに、空はチカチカときらめく。まるで、宝石の中にいるみたいだ。
「やっぱ、気になるよね」ツェンはくるりと振り返った。「外から来たヒトは、みんなアレに驚くんだ」
 光の欠片が、ふわりふわり、風に乗って降り注いでくる。デデはおもむろにその一枚を取ってみた。
「へんなの……ぶにぶにしてら」
 まるでガラスの破片のように、透明で薄い。でも感触は、ガラスとは全然ちがうものだった。
「よっし、じゃあついてきな」
 そう言ってツェンは、崖の方へ向かっていった。穴がいくつも掘られた崖。ツェンはリンリンとたのしげに鈴を鳴らしながら、穴の奥へと招いていく。
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