Illustration by 竹藤狐
 
コンサートホールのある丘の上は、家々もなく草木が風で揺れる音だけが聴こえている。
 そんな人の気配もないような広場に、ロココはやってきた。
「あの子ならきっと、この辺に……」
 ロココは更に奥へと進んでいく。その先には、大きなコンサートホールが一つ。満月が照らすその姿は、何か大きな生き物の影のよう。風によって揺れる葉っぱたちは、まるでロココを手招いているようだ。
 そしてそんなコンサートホールのふちに腰かけて、空を見上げるフーミンの姿があった。
「やっぱりここにいたわね」
 びくり、フーミンの体はロココの声に反応して大きく震える。フーミンは慌てて顔をぐしぐしと手で拭った。
「な、なんでここが分かったの?」
「ふふ~ん、アタシの推理力をなめてもらっちゃ困るわね」
 ロココはぴょんぴょん跳ねるようにして近づくと、フーミンの横にちょこんと腰かけた。
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