
Illustration by 竹藤狐
「ほら、これでも食べて機嫌を直してよ」
ジェコはそう言いながら、ロココにシャーベットを差し出した。ほんのりとした黄色いシャーベットは、ロココの拳ほどの大きさだ。
「なによ、こんなんでアタシは許すとでも思ってんの?」
「まーま、一口だけでも食べてみなよ」
そう言ってジェコは、自分のシャーベットに手を出し始めた。大きさこそはジェコにとってはちょうど食べ頃なのだろうけど、ロココのものを五つは食べれそうなほどのサイズだ。
それをスプーンで大きくしゃくり、まるまるとした塊を口の中に放る。
「んはぁ~、柑橘系の爽やかな甘さが絶妙だねこりゃ。しかも混じった薄皮がまたシャリシャリとした食感といい感じにアクセントになってるよ」
ジェコは大きな口で噛むごとに、シャリシャリと心地の良い音を響かせていた・・・