Illustration by 竹藤狐
 思ったよりも緩やかな坂道を、ポメたちは走っていく。果物の木々を進み、時折町の人たちとすれ違ったりするけども、てっぺんに着くまではそれほどかからなかった。
「お、ついに頂上に着いたナ」
 木々の向こうから青空が見えたと思うと、途端にぱあっと目の前が開けた。
 丘のてっぺんには、ドームのように沢山の葉っぱが広がる背の低い大きな木が一つ。それ以外には何もなかった。
「思ったよりも、がらんとしてるね」
 そしてその木の向こうからざわざわと、人の話し声が聞こえてくる。回り込んでみると、ロココたちの姿が目に入った。その前にはざわざわと、同じ色の服をして様々な楽器を持った子たちがたくさんいる。
「フライズ先生、ごめんなさい……遅れちゃいました!」
 謝っているのだけど、どこか明るい声色で言うフーミン、その前には、黒い衣装を羽織ったヒツジの男がいた。もこもことしたボリュームのある毛に、立派な巻き角。背はフーミンよりも低いけども、周りとの違う雰囲気にそれが大人だとポメもすぐに分かった・・・
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