Illustration by 竹藤狐
 
 そこは、アルメリシアから離れたとこ。ケラケラ・カルカルへと続く道の途中には、廃墟が広がっていた。
 そこには大昔に町があったのだけども、住む人もいなくなって今ではこの通り。真夜中ともなると辺りは真っ暗になり、がれきの影の闇もいっそう深くなっていた。
 そんな中でポメたちは、たき火を囲んで座っていた。たき火の上にはぐつぐつと煮えるスープの入った鍋が掛けられていて、少しの調味料を加えつつジェコはゆっくりと大きなスプーンでかき混ぜていた。
「……でもよぉ、こんなに長い道のりなら、途中にトマリギくらいあってもいいのにな」
「そーよねぇ。マイマイでだって、渡り切るのに一日は掛かるって話だし」
 体をぐいと伸ばしながら愚痴を言うデデに、ロココもうんうんと頷いた。
 オルゴア王国では、町と町を繋ぐ道が長ければ、その途中の丁度いい場所にトマリギが植えられているものだ。
 だけどもここは廃墟のど真ん中。がれきのせいで、トマリギが根を生やせないのだそうだ。
 その代わりに旅人はここで野宿をしたりするので、寝袋や食器などの道具が放置されていた。
 それらを借りてポメたちは、ここで一晩野宿をするのであった。
「でもさ、こうして夜空の下でのキャンプもオツなもんだろ?」
 鍋をかき混ぜる手を止めずにふふんと鼻歌をうたいながら、ジェコはそう言う。この静かな廃墟でも、ジェコの陽気な鼻歌のおかげで、ポメたちの周りだけは明るい空気に包まれるようであった。
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